京都法界寺薬師堂に江戸時代前期にあたる元禄五年に奉納された絵馬です。

今回2枚の美濃陶片と、桃山時代の秀衡椀三ツ重ね1組、江戸時代前期元禄五年の京都法界寺薬師堂に奉納された絵師による絵馬一枚の計4点を出品いたします。秀衡椀は貴重な桃山時代の本歌。絵馬は江戸時代前期、元禄五年に京都法界寺薬師堂に奉納された絵師による絵馬です。

●絵馬について
尾形光琳を代表とする町人の元禄文化が盛期した江戸時代前期、元禄五年に京都法界寺薬師堂に奉納された絵馬です。狩野派や琳派の流れが垣間見れる上方の一流絵師による江戸絵画様式の素晴らしい出来の遺物です。白髪の壮年武家が騎馬し人馬一体に疾走します。武家の髪の毛一本にも隙なく、馬はダヴィンチのルネサンス絵画にもおとらない躍動の生命感です。

絵馬裏面には墨書で来歴があり、曰く「法界寺薬師堂絵馬　元禄五年ニ奉納ト表ニ記しアリ　今ヲ去ル弐百十有余　明治三十弐年内務省より奉堂修繕に際し取り外し　大正九年三月　梅原昌好　誌ス」とあり、元禄五年1692年に奉納され、明治32年の内務省による修繕の際に取り外され現在に残ったことがわかります。絵馬自体の形状もあえて高度なアールの曲線型の木枠造りです。相当な絵師に描かせ作り奉納されたのが推測されます。元禄五年といえば、松尾芭蕉、井原西鶴、近松門左衛門、市川團十郎、尾形光琳、尾形乾山、菱川師宣の元禄文化人が割拠した時代です。京都法界寺薬師堂に奉納する絵馬を一流の絵師に描かせないわけがありません。

顔料の剥落は見受けられますが当時の最高級の岩絵具を使ったであろう発色は緑や肌色に表れています。絵馬に収まりきらない絵画的完成度は現代建築のモダンな白壁に飾ると絵画のような存在感があります。元禄文化の精華のような遺物がよくこの状態で今日に残ってくれたと思える価値のある絵画的絵馬です。
最後の画像は前時代の桃山期に長谷川等伯が描いた絵馬です。桃山時代の絵画様式も内包していることがわかる参考画像として載せさせていただきました。

●状態
虫食いや顔料剥落はありますが画像の状態がすべてです。画像でご判断をお願い致します。

●寸法
W695×H530×T35mm

●付属品
無し。

●お取引きについて
次のコレクションのため手放します。価値を共有でき大事にしてくださる個人コレクターの方に渡れば何より幸いです。入札価格によっては出品を取り下げる可能性もあります。それをご理解いただいたものとして入札を受付ます。

なお、迅速で丁寧なお取引きを心掛けております。そのため、御落札→御支払→発送→御受け取り評価の、ヤフオク上の双方がやるべき役割は最短を基本としておりますので迅速なお取引きにご協力いただきますようご理解をお願い申し上げます。また、お取引ナビでの反応やコミュニケーションを一切取らない方や、受け取り評価をすぐにしないなど迅速なお取引が苦手な方はスムーズなお取引が困難になりますのでご入札をお控えください。

最後に古美術品やアンティークは数百年前の美術品ですので、それをご理解いただきお品の状態に極端に神経質にこだわる方も入札をお控えください。